インバウンド観光の課題とは?最新動向と解決策・地方の誘客ポイントについて解説

観光

・「インバウンド対策を進めたいが何から着手すれば良いかわからない」

・「訪日外国人旅行者の誘致を検討しているので課題と対策方法が知りたい」

 

など、訪日外国人観光客の受け入れにあたり、具体的な対策方法について模索している方は多いでしょう。

 

インバウンド需要の高まりによって、訪日外国人観光客数が年々増加する中、オーバーツーリズムに代表されるような課題が山積しているのも現状です。

 

本記事では、観光事業者向け予約管理システムの「JTB BÓKUN」を提供する弊社の知見から、インバウンド観光における課題と現状、最新動向を踏まえた解決策、ならびに地方におけるインバウンド誘致の際のポイントについて解説します。

インバウンド観光の最新動向と訪日外国人旅行者数の推移

出典:訪日外客数(2025 年 9 月推計値)|日本政府観光局

 

インバウンドの数は年々増加しており、今後も増加が見込まれているのも現状です。インバウンドとは、「外から内に入ってくること」を意味し、観光業界では一般的に訪日外国人観光客を指す言葉として活用されています。

 

日本政府観光局(JNTO)が公表している訪日外国人旅行者数の月別推移データによると、2025年度は1月~9月まですべての月で過去の数値を上回っていることがわかりました。これは、過去最高の訪日外国人観光客数を記録した2024年度をも上回っている数値です。

 

参照:訪日外客数(2025 年 9 月推計値)|日本政府観光局

 

政府では、2030年目標として「訪日外国人観光客数6,000万人」を掲げているため、今後もさらなる増加が見込まれます。

 

関連記事:インバウンド旅行者による経済効果はどれくらい?直接効果・間接効果と今後の課題を解説

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インバウンド観光における課題・問題・トラブルの事例

インバウンド観光における課題・問題・トラブルの事例として挙げられるのは、以下の例です。

 

・オーバーツーリズムによる混雑・騒音・ゴミのトラブル

・言語の壁と情報伝達の問題

・決済手段・通信環境などインフラ面の課題

・災害・緊急時対応の不足

・予約チャネルの多様化によるオーバーブッキング

 

ここからは、訪日外国人観光客の増加によって生じている、上記の課題について解説します。

人気観光地では、訪日客の急増によるオーバーツーリズムが発生し、交通渋滞や騒音、ゴミの放置など生活環境への悪影響が課題となっています。地域住民との摩擦や観光資源の劣化を招く要因にもなっており、観光客数の分散化やマナー啓発、入場制限などの対策が必要です。

言語の壁と情報伝達の問題

言語の壁と情報伝達の問題も顕在化しています。日本の観光地では、観光案内や公共交通の情報が日本語中心で提供されており、訪日外国人観光客が正確な情報を得られずに混乱するケースが少なくありません。トラブル発生時に、迅速な伝達が難しい点も課題となっており、多言語表示の充実やAI翻訳ツールの導入が急がれています。

 

決済手段・通信環境などインフラ面の課題

観光地の中でもとくに地方では、キャッシュレス決済や無料Wi-Fiの整備が遅れており、観光客が不便を感じるインフラ面の課題も浮き彫りとなっています。通信環境の不足は観光情報の検索や予約にも影響するため、インフラ整備が急務です。また、日本円への両替の負担から、決済手段の多様化も求められています。

災害・緊急時対応の不足

災害・緊急時の対応不足も、インバウンドの受け入れにおける課題の一つです。地震や台風などの自然災害発生時に、外国人観光客が避難情報を理解できず取り残されるケースが指摘されています。多言語による災害情報提供や、避難誘導体制の整備が不十分な地域も多いため、自治体と民間の連携による対策が重要です。

 

予約チャネルの多様化によるオーバーブッキング

宿泊やアクティビティ予約が複数のオンラインサイトで行われることで、在庫管理の重複や誤登録が発生し、オーバーブッキングにつながる事例が増えています。複数の海外OTAに加え、SNSや公式サイトなどを経由した予約管理の複雑化は、観光事業者にとって大きな負担です。システム連携の強化と、リアルタイムでの予約在庫管理の仕組み構築が求められています。

 

関連記事:OTAとは?訪日外国人観光客の集客に欠かせない海外OTAの種類とメリット

観光業におけるインバウンド課題への対策方法

インバウンドの課題が浮き彫りとなる中で、観光業界や国・自治体ではさまざまな対策が進められています。以下では、観光業におけるインバウンド課題への対策方法について解説します。

多言語対応方法の検討

多言語対応方法の検討は、観光事業者がすぐに着手できるインバウンド対策です。観光地や宿泊施設では、英語・中国語・韓国語などの多言語対応が求められています。案内板やメニューの多言語化に加え、AI翻訳ツールや音声案内アプリの導入も効果的です。

キャッシュレス決済とWi-Fi環境の整備

海外ではキャッシュレス決済が一般的であるため、訪日外国人観光客を受け入れるのであれば、多様な決済手段への対応が必要です。あわせて無料Wi-Fi環境を整備することで、観光情報の検索やSNS発信が容易になります。

混雑情報のリアルタイム配信による分散誘導

人気観光地の場合、インバウンド対策として混雑状況をリアルタイムで発信し、観光客の分散を誘導する取り組みが有効です。公式アプリやSNSを活用し、空いている時間帯や周辺エリアの情報を提供するれば、地域全体の回遊性を促進し、オーバーツーリズムの抑制にもつながります。

地震や台風などの災害発生時に備え、外国人観光客にもわかりやすい多言語避難情報の提供体制を整える必要があります。自治体・観光事業者・宿泊施設が連携し、緊急時の行動マニュアルや、多言語案内を含めた情報発信手段を整備することが重要です。

海外OTA(Online Travel Agency)の併用は、各国の市場特性に応じた効果的な集客手段となります。KlookやViatorなど複数のプラットフォームを活用し、国や地域ごとの検索行動に最適化することで、訪日観光客の獲得機会を広げられます。ただし、複数の海外OTAを活用する場合は、予約管理の一元化を含めた管理方法の検討も必要です。

 

関連記事:インバウンド対策とは?観光事業者が実施すべき施策内容例と成功事例を3つ紹介

地方の観光事業者がインバウンドを誘客する際のポイント

地方の観光事業者が、インバウンドを誘客する際は以下のポイントを意識することが重要です。

 

・広域連携による観光分散を推進する

・ユニバーサルツーリズム・サステナブルツーリズムを取り入れる

・在庫管理を効率化する

 

それぞれ、具体的にどのような対策を講じれば良いのか、これらのポイントを意識すべき理由も踏まえて解説します。

広域連携による観光分散を推進する

地方の観光事業者がインバウンドを誘客する場合は、広域連携による観光分散を推進する必要があります。地方自治体や複数の観光事業者が連携し、広域的な観光ルートを構築する方法です。これにより、特定地域への集中を防ぎ、地域全体の経済活性化を図れます。交通・宿泊・体験施設を地域連携によって一体的にPRすることで、滞在時間の延長と旅行者の分散誘導を同時に実現できます。

ユニバーサルツーリズム・サステナブルツーリズムを取り入れる

ユニバーサルツーリズムやサステナブルツーリズムを取り入れるのも、地方の観光事業者がインバウンドを誘客する際のポイントです。ユニバーサルツーリズムは、高齢者や障害のある方、外国人など、誰もが快適に観光できる仕組みで、訪日外国人観光客・国内旅行客問わず受け入れられる体制の構築につながります。

 

また、環境負荷を抑え、地域文化を尊重したサステナブルツーリズムの推進は、国際的な評価向上や持続的な観光振興につながるため、長期的な観光資源の活用を見据えた取り組みの推進が重要です。

 

関連記事:ユニバーサルツーリズムとは?国内・海外事例と実践のヒント

在庫管理を効率化する

地方の観光事業者がインバウンドを誘客する際には、在庫管理の効率化を意識しておく必要があります。宿泊施設やアクティビティ事業者では、複数の予約サイトやOTAを利用するケースが多く、在庫管理の煩雑化が課題です。

 

予約管理システムを活用して、複数の予約媒体における在庫情報をリアルタイムで同期させることで、オーバーブッキングの抑止と管理業務の負担軽減につながります。

インバウンド集客における在庫管理の効率化には「JTB BÓKUN」

観光業におけるインバウンド集客の課題は、観光事業者のみならず自治体との連携も必要になる場面が多くあります。一方で、予約管理の課題への対策も欠かせません。複数の海外OTAやSNS、公式サイトなどからの予約受付は、幅広く訪日外国人観光客を取り込める反面、管理負担が大きな課題の一つです。

 

そこでおすすめなのが、「JTB BÓKUN」の活用です。

 

JTB BÓKUNでは、Viator・GetYourGuideなどを含め、世界各国20社以上の海外OTAとの連携に対応しています。連携したすべてのOTAで、体験・アクティビティ商品の在庫状況が即時に同期されるため、手作業で逐一在庫量を調整する必要がありません。

 

ダブルブッキングの回避につながるうえに、体験・アクティビティの実施時間直前まで予約を受け付けられるため、収益機会の最大化にもつながります。また、観光事業者同士がマッチングできるマーケットプレイス機能も利用可能です。マーケットプレイス機能を活用すれば、数千社以上ある事業パートナーとのマッチングにより、コラボ商品の創出やタイアップ展開も実現できます。

 

インバウンドの課題への対策と同時に、受け入れ拡大や予約管理業務の負担軽減策として、JTB BÓKUNの活用をぜひご検討ください。

 

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