旅行業・観光業におけるAI活用の可能性とツーリズムの変化に対応する際の注意点とは?

AIイメージ

・「AIをうまく活用して業務効率化を図りたい」

・「AIの発展は耳にするが、旅行業・観光業でどのように活用すれば良いかわからない」

 

など、昨今、AI(人工知能)を活用したツールの導入に関して、幅広い業界で注目が集まっています。

 

AIは、一般消費者にも普及しており、自動音声案内やチャットボット、スマート家電など、生活の中で身近な存在となりつつあるのが現状です。

 

そのような中で、AIで旅先をリサーチして旅程を立て、道案内やスケジュール管理、宿泊先の手配までAIを活用して行う「AIツーリズム」も広まっています。

情報収集の手段としてAI活用が広まる中、旅行業・観光業では具体的にどのような対策を講じていけば良いのでしょうか。

 

本記事では、観光事業者向けの在庫管理ツール「JTB BÓKUN」を提供する弊社の知見から、旅行業・観光業において、AIの導入がどのような課題解決につながるのか、顧客満足度に対する好影響や活用事例について解説しながら、AIツーリズムへの対策を講じる際の注意点について解説します。

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生成AI利用者の約8割が旅行の情報収集に生成AIを活用

株式会社JTB総合研究所が2025年7月に実施した「生成AIの利用と旅行についての調査」によると、生成AI利用者(週1回以上利用)の77.8%は、旅行に関連して生成AIを利用した経験があることが分かりました。

 

旅行に際してこれから生成AIを利用してみたいこととして、「旅行の行程作成やルート提案」と回答した人がもっとも多い割合です。次いで「交通手段の検索・予約」、「旅行先のグルメ情報検索」など、情報収集手段として活用されていると推察されます。

 

旅行業・観光業では、このようなAIを活用した旅行「AIツーリズム」への対応が進められつつあるのが現状です。今後、さらにAIを活用した業務効率化や、AIツーリズムに適応したマーケティングノウハウ、AIツールの種類なども増加・普及していくと考えられます。

AIの導入で解決につながる旅行業・観光業の課題

ビジネスでAIを導入する目的は、「業務の効率化」「合理化」が大きいのではないでしょうか。AIを活用することによって、旅行・観光業では以下のような課題の改善が期待できます。

人手不足の解消

サービス業にとって人手不足は、サービスの低下に直結します。とはいえ、繁忙期と閑散期、気候、イベントの有無などで業務量が変動する観光業界では、通年で安定的に人を確保するのが難しいのも現実。

 

そこでAIを活用すれば、繁忙時の人手不足の解消や、閑散期のコスト削減が可能になり、人員体制を最適化できます。

業務効率・生産性の向上

パターンの決まった業務を繰り返し行う処理はAIの得意分野。負担の大きい肉体労働や単純作業など、人間が長時間連続して行うことが難しい業務も、AIならば素早く、ミスなくこなすことができ生産性がアップします。定型作業やテンプレート化できる問い合わせの対応はAIの出番です。

品質の標準化

人間が業務を行う限り、どんなに優秀な人であってもヒューマンエラーをゼロにすることは不可能です。また、感情や体調によって業務の遂行に影響が出ることも避けられません。

 

調子の良い時は100点を出せるけれど、不調時は30点、といった波があるのが人間。満点とはいかなくても品質にムラがないほうがいい、常に70点をキープできれば良い、といった業務はAI向きと言えます。

安全性の担保

危険を伴う作業や、高所・水中での作業など人が立ち入ることが困難な現場では、人の代わりにAIが活躍します。故障予測・異常検知・事故の予防もAIの得意分野です。少人数や無人での店舗運営には、AIを活用した防犯カメラや自動レジが役立ちます。

AIが旅行者の顧客満足度を高める理由

AIの活用メリットは事業者だけに留まりません。旅行者のニーズが多様化している今、AIの活用は顧客体験を向上させるために効果的です。

時間や場所に縛られない

仕事をしていると、代理店の営業時間内に来店したり、電話を掛けたりが困難であることも少なくありません。また、繁忙期は電話をかけてもつながらない、混んでいて来店予約が取れない、といったストレスで旅行意欲が低下してしまうことも。自動応答やチャットボットの活用で時間外の対応範囲が広がれば、旅行手配にかかる負担の軽減につながります。

非対面手続きに安心感をプラス

コロナ禍で高まった非対面・非接触ニーズにより、オンライン消費が急速に拡大しました。

しかし、旅行予約の場合、「商品を購入して終わり」の一般的なオンラインショッピングとは大きく異なり、慣れていないと分かりづらい部分が多いのも事実です。

 

「移動」「宿泊」「観光」「食事」と検討事項が多く、1つのサイトで完結できなかったり、疑問点を調べるのに膨大な時間がかかってしまったり、選択肢が多すぎて比べ疲れてしまうことも……。

 

そんな時に、おすすめスポットを紹介してくれたり、チャットボットが質問に答えてくれたりといったケアがあれば、非対面予約の心理的なハードルを下げてくれます。

データの蓄積によりオファーの精度が高まる

収集したデータを学習・分析し、より精度の高い提案ができるようになるのがAIの強み。AI技術の発展と利用データの蓄積で、使い続けていけばいくほどユーザーの好みに合ったオファーが可能です。AIがまるで専任の担当者のように心強い存在になる日も遠くないかもしれません。

多言語対応の強化

旅行業・観光業で生成AIを活用すれば、多言語対応の強化により、顧客満足度の向上につながります。生成AIを活用した翻訳は、近年精度が急速に向上しており、自動翻訳ツールと比べても自然な文章に変換されやすい点が特徴です。インバウンド対応における意思疎通の課題解決につながるため、インバウンド対策の強化を目的として、AIを活用する事業者が増加傾向にあります。

 

関連記事:インバウンド対策とは?観光事業者が実施すべき施策内容例と成功事例を3つ紹介

旅行業・観光業におけるAIの機能別活用事例

AIの主要な機能である「画像認識」「言語処理・音声認識」「レコメンド」「分析・予測」。それぞれを活かした旅行業・観光業での事例を紹介します。

画像認識

AIと聞いてまず思い浮かぶのが画像認識ではないでしょうか。膨大なデータを学習させることにより、昨今では一部において人間を超える高い精度での画像認識が可能になっており、ビジネスでの導入事例が非常に多い分野でもあります。

 

旅行業界においては、交通機関の利用や施設入場時の認証などで実用化されています。

 

有名な所では、空港の顔認証ゲート。入国審査の厳格な基準を維持しつつ、時間の短縮・人員削減といった合理化も実現しました。

なお、新幹線でも顔認証による改札機通過の実証実験が始まっています。

言語処理・音声認識

「言語処理」はテキストを言葉として処理する機能で、チャットボットなどに使用されています。観光サービスとしては多言語対応ができるのが大きな強みで、インバウンド誘致に向けたAIチャットボットが続々と構築されています。

 

最近では、音声で観光情報を案内してくれるAIロボットやコンシェルジュも登場。

 

「音声認識」は、音声をテキスト化する機能で、文字起こしなどに使われている技術です。会話ができるAIは「音声認識」でテキスト化した文字を「言語処理」で解析するという2つのステップで人の言葉を理解しています。

レコメンド

ECサイトの膨大なデータの中から、利用者の好みに合致するものを表示してくれる機能が「レコメンド」です。

 

観光関連では、アプリやWebサイトでテーマ・時間・予算・交通手段・年齢層などを入力すると、観光スポットを紹介してくれたり、コースを作成してくれるサービスがあります。

 

中には、予約サービスと連携して手配まで完了できるものや、SNSでシェアできるものもあります。外部サービスと絡めれば販促や広告など、可能性が広がるのがレコメンドサービスです。

分析・予測

ビッグデータの解析や、データ傾向からの未来予測は、AIの最も得意とすることです。

 

AIカメラ映像から観光客の滞留状況を数値化・対人平均距離を計測・混雑時間帯の予測を行い、配信することにより混雑回避に役立てている観光地があります。

 

また、宿泊施設などで需要により価格を変動させる「ダイナミックプライシング」も、AIの活用で需要予測の精度を上げたり、自動化したりと、より効果的に行うことができるようになります。

旅行業・観光業でAIツーリズムに対応する際の注意点

旅行業・観光業でAIツーリズムに対応すべく、ツールの導入やあらたな施策の実施を検討する場合は、以下の3項目に注意が必要です。

 

・個人情報保護に配慮する

・不正確情報(ハルシネーション)リスクへの対策を講じる

・多用な媒体からの予約を一元管理する

 

以下では、これらの項目に対して具体的にどのような行動を起こせば良いのか、意識すべきポイントも含めて解説します。

個人情報保護に配慮する

旅行業・観光業でAIツーリズムへの対策を進める場合は、個人情報保護に配慮することが大切です。

 

生成AIのようなAIツールに個人情報を入力した場合、生成AIの学習データとして利用される可能性があり、意図しない形で情報が外部に漏れるリスクがあります。取り扱う情報の範囲を明確にし、データセットを含めた入力ルールの徹底が重要です。

不正確情報(ハルシネーション)リスクへの対策を講じる

AIツーリズムへの対策を講じる場合、不正確情報(ハルシネーション)リスクへの対策が必要です。不正確情報(ハルシネーション)とは、生成AIが観光情報や交通情報、施設の営業時間などの不正確情報を回答してしまう現象を指します。

 

誤情報はクレームやトラブルにつながるため、AI任せにせず、人による最終確認体制を整備することが重要です。また、チャットボットの参照データを自治体・観光協会・事業者の公式データと紐づけるのも良いでしょう。

 

つねに信頼性の高い情報源からの最新情報を自動的に取得できる仕組みを整えることで、誤回答の発生を抑えられます。緊急時には、問い合わせ対応を人による対応に切り替える判断も必要です。

多様な媒体からの予約を一元管理する

AIツーリズムへの対策を強化する際は、多様な媒体から入る予約情報を一元管理する体制の構築も重要です。AIを活用した旅行案内では、OTA(オンラインの旅行代理店)・公式サイト・SNS・観光ポータルなど多様な経路から予約が発生するため、予約管理が複雑化しやすくなります。

 

媒体ごとに管理していると、入力漏れやダブルブッキングが起こりやすく、現場負担の増加や顧客トラブルにつながりかねません。そのため、複数チャネルの予約情報を一元管理できる仕組みを導入し、リアルタイムで空室・在庫を連動させることが重要です。

 

関連記事:【観光事業者向け】国内OTAの特徴とシェアランキングTOP5|手数料率一覧とアクティビティに特化したサービスも紹介

 

関連記事:OTAとは?訪日外国人観光客の集客に欠かせない海外OTAの種類とメリット

まとめ

AIの進化により「業務の合理化・効率化」と「顧客満足度の向上」を同時に進めることも夢ではなくなりました。旅行・観光業と親和性の高いAI。活用方法をぜひ探ってみてください。

 

AIツーリズムに対応するには、多種多様な媒体からの予約を一元管理する方法を検討する必要があります。そこでおすすめなのが、「JTB BÓKUN」の活用です。

 

JTB BÓKUNでは、Viator・GetYourGuideなどを含め、世界各国20社以上の海外OTAと連携でき、予約管理の一元化に役立ちます。在庫状況が即時反映されるのは、連携したすべてのOTAです。リアルタイムに在庫管理ができるので、販売している体験・アクティビティ商品の手作業による在庫量調整を行う負担を軽減できます。

 

ダブルブッキングの回避につながるだけでなく、体験・アクティビティの実施時間直前まで予約を受け付けられ、収益機会の拡大につながるメリットもあります。また、観光事業者同士がマッチングできるマーケットプレイス機能も利用可能です。

 

「JTB BÓKUN」について、詳しくは以下の資料をぜひ参照ください。

 

参考文献:

成田空港.”Face Express”.

https://www.narita-airport.jp/jp/faceexpress/(参照2022-1-5)

JR東海.” 顔認証を用いた改札機通過の実証実験を実施します”.2021-9-30

https://jr-central.co.jp/000041542.pdf(参照2022-1-5)

 

フォームに必要事項を入れると資料をダウンロードできます。

JTB BÓKUN 説明資料

JTB BÓKUNの詳しい機能や活用方法について説明しています。


【主な機能】

  • 自社ホームページでの体験商品の販売
  • ユーザー同士での体験商品の相互販売
  • 海外OTA(Viator、KLOOK、GetYourGuideなど)との接続
  • 体験商品の予約・在庫の一元管理(チャネルマネージャー)
  • 販売データおよび顧客データの分析