【観光事業者向け】国内OTAの特徴とシェアランキングTOP5|手数料率一覧とアクティビティに特化したサービスも紹介

更新日:2025.09.05

パソコンと飲み物

・「国内OTAの利用を検討しているが、どれを選べば良いかわからない」

・「シェアが高い国内OTAがどこなのかを知りたい」

 

観光客のニーズの多様化により、旅行の手配方法は、パッケージツアーから個人旅行へとその割合が年々増え続けています。そのような中で、国内OTAを利用すべきか、利用する場合どのサービスを利用すべきか、悩んでいる観光事業者の方も多いのではないでしょうか。

 

国内OTAは、サービスによって利用手数料率も異なるため、事前に情報を整理した上で、マッチするサービスを選ぶことが大切です。

 

本記事では、観光事業者向け予約管理システムの「JTB BÓKUN」を提供する弊社の知見をもとに、国内OTAとはなにか、比較サイトとの違いについて解説しながら、シェア率の高いサービスをランキング形式で、手数料率も含めて紹介します。

OTA(オンライン・トラベル・エージェンシー/エージェント)とは?

OTAとは、「Online Travel Agency」の頭文字をとった略語で、2000年以降にインターネットの急速な普及と共に発展してきたオンラインだけで旅行に関する手配を完結させる旅行会社のことです。*日本では「エージェンシー」ではなく、「エージェント」とされますが、個人ではなく、組織全体を指し示す用語のため、正しくはエージェンシーです。

 

世界中の膨大な商品を、24時間365日、どの場所からも、どのデバイスからでも、数クリックで手配することができるため、その利便性から利用者が拡大しています。

 

従来型の旅行会社は、旅行に関する手厚い相談ができる実店舗が存在しますが、OTAにはこれらの実店舗が存在しない点で一線を画しています。しかし、統一された明確な定義も存在しないため、一部では従来型の旅行会社のオンラインサイトもOTAと表現されることがあります。

OTAと旅行比較サイト(メタ検索エンジン・メタサーチエンジン)の違い

旅行比較サイト(メタ検索エンジン・メタサーチエンジン)とは、キーワードやエリアなどの条件を入力することで、複数のOTAを横断的に検索して、その結果を1ページ内に統合して表示する一括比較サイトのことです。

 

基本的に自社では販売する在庫(宿泊施設など)をもっていないことが、OTAとの最大の違いです。提携する複数のOTAから情報を取得しているため、同じホテル、同じ日付、同じ部屋タイプであっても、取引条件やダイナミック・プライシング(変動価格)により、OTAごとに異なる料金が表示されていることがあります。

 

利用者の視点では、一度の検索で最も安い価格や最適な条件を比較できるメリットがあり、OTAよりも更に利便性が向上しています。日本国内では、Yahoo!トラベル(一休.comの買収によりメタサーチ化)、4travel.jp、トラベルコ、トラベルjpなどが国内に拠点をもつ旅行比較サイトの代表的な存在です。

宿泊業界における国内OTAのシェア(ランキングTOP5

国内OTAのシェアや統計に関しては、その売上やユーザ数などは非公開とされており、統一した指標で比較することができません。そのため、公益社団法人日本観光振興協会・株式会社ヴァリューズが公開している「2022年観光関連サイト推計閲覧者数ランキング」から代表的な5つの国内OTAをアクセス数順に記載しています。

 

アクセス数では、じゃらん、楽天トラベルが2強となっていますが、高級路線の一休.comとReluxは、ターゲットとする顧客セグメントが合致する事業者によっては、アクセス数以上の価値があるとも考えることができます。

1位:じゃらんnet 閲覧者数 約3,030万/2022年

項目 内容
WEBサイト名 じゃらんnet
URL http://www.jalan.net/
運営会社 株式会社リクルート
概要 日本全国で地域別に販売されている雑誌「じゃらん」のオンライン版として2000年から運営を開始している国内最大級のOTA
特徴 雑誌じゃらんの豊富な特集コンテンツを強みに幅広い年齢層に支持されている
国内取り扱い商品 宿泊、ダイナミック・パッケージ(じゃらんパック)、体験・アクティビティ、バス・レンタカー、航空券
掲載施設数 32,300件

じゃらんnetは国内最大級の規模を誇るOTAです。雑誌「じゃらん」の知名度と信頼感を併せ持ち、宿泊予約だけでなく、航空券がセットになった「じゃらんパック」や体験・アクティビティの予約にも対応しています。

2位:楽天トラベル 閲覧者数 約2,900万/2022年

項目 内容
WEBサイト名 楽天トラベル
URL https://travel.rakuten.co.jp/
運営会社 楽天株式会社
概要 掲載施設数39,000件と国内最大数。じゃらんnetと双璧をなす国内最大級のOTA
特徴 楽天グループのポイントやクーポンなどの関連サービスとの連携を強みに総合力を活かした集客が期待できる
国内取り扱い商品 宿泊、ダイナミック・パッケージ(楽パック)、バス・レンタカー、航空券
掲載施設数 39,000件

楽天トラベルは、じゃらんnetに並ぶ国内最大級のOTAです。楽天トラベルの強みは、楽天ユーザー向けに展開されるポイント倍率アップやクーポンなどによる、集客・販促効果の高さにあります。会員数1億以上に上る既存会員に対して、アプローチできる点が魅力です。

3位:一休.com 閲覧者数 約1,760万/2022年

出典:一休.com

項目 内容
WEBサイト名 一休.com
URL https://www.ikyu.com/
運営会社 株式会社一休
概要 高級ホテル・旅館の宿泊から、高級レストランやスパといったアクティビティも展開しているOTA
特徴 高級路線のため、顧客の富裕層や年齢層が高い
国内取り扱い商品 宿泊、レストラン、スパ、ギフト
掲載施設数 6,000件

一休.comは、高級宿・高級ホテルを中心にサービス展開している国内OTAです。「高級宿・高級ホテルの予約なら一休.com」というブランディングにより、消費単価の高い顧客層を獲得しています。高級レストランやスパなども含め、アッパーミドル~富裕層向けサービスを展開している事業者に最適です。

4位:JTB 閲覧者数 1,430万/2022年

出展:JTB

項目 内容
WEBサイト名 JTB(JTBホームページ)
URL https://www.jtb.co.jp/
運営会社 株式会社JTB
概要 国内最大手の旅行会社。店舗販売とオンラインを融合した総合旅行サービスを展開し、宿泊・交通・パッケージツアーなど幅広い商品を取り扱うOTA兼旅行代理店
特徴 老舗ブランドの信頼感が高く、企業や団体旅行にも強い。全国にリアル店舗網をもち、対面サポートとオンラインの両軸で利用可能
国内取り扱い商品 宿泊、国内・海外パッケージツアー、航空券、JR・新幹線、バス・レンタカー、体験・アクティビティ、ギフト
掲載施設数 約13,000件(宿泊施設、2024年時点の目安)

JTBは、100年以上の歴史をもつ旅行代理店で、「旅行予約といえばJTB」というブランドイメージの高さが魅力です。法人・団体旅行の支持も厚く、信頼性の高いOTAとして知られています。OTAとしての利用だけでなく、全国展開している店舗で対面販売も行っているため、オンラインでの完結が難しい複雑なプランの予約にも対応している点が特徴です。

5位:Yahoo!トラベル 閲覧者数 1,380万/2022年

項目 内容
WEBサイト名 Yahoo!トラベル
URL https://travel.yahoo.co.jp/
運営会社 ヤフー株式会社(ソフトバンクグループ)
概要 国内大手ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」が運営する旅行予約サイト。るるぶトラベルや一休.comと連携し、宿泊施設やツアー商品を幅広く提供している。
特徴 PayPayポイント(旧Tポイント)との連携が強み。検索エンジンやYahoo!サービスとの連動で集客力が高い。
国内取り扱い商品 宿泊、パッケージツアー(るるぶトラベル経由)、一休.com経由の高級ホテル予約
掲載施設数 約20,000件(るるぶトラベルや一休との連携含む)

Yahoo!トラベルは、国内最大級の検索エンジン「Yahoo! JAPAN」からの直接流入が期待できる国内OTAです。PayPayポイント(旧Tポイント)との連携が強みで、るるぶトラベルや一休.comとも連携しながら、幅広いサービスを展開しています。ビジネスホテルから高級宿まで、幅広いニーズに対応している点が特徴です。

主要国内OTAの手数料率一覧

国内OTAを利用する際、収益に直結するのが手数料率です。集客力が高いOTAでも、手数料率が高いと、予約1件あたりの収益が減少します。そのため、利用する国内OTAを選定する際は、手数料率も把握しておくことが重要です。

 

主要国内OTAの手数料率は、以下の表を参照ください。

サイト名 手数料率
じゃらんnet 1名利用:6%、2名以上利用:8%〜
楽天トラベル 1名利用:7%、2名以上利用:8.25% +ポイント負担1%〜
一休.com 宿泊:10%、事前決済:13.5%〜
JTB 非公開(契約条件により変動。一般OTAと異なり個別契約が多い)
Yahoo!トラベル 自社での手数料公開なし(るるぶ・一休との連携モデルを採用)

体験・アクティビティに特化したOTA

多くのOTAでは、主に宿泊や航空券の手配を取り扱いますが、これらをセットにしたダイナミック・パッケージ、旅行先での体験・アクティビティの予約、旅行保険など、いわゆる旅マエから旅アトまで旅行に関するすべてのシーンを一括して取り扱うOTAが増えています。しかし、それとは反対に旅ナカである体験・アクティビティの予約販売に特化したOTAも出現しています。

 

日本国内では、数度の資金調達を実施し、「そとあそび」を傘下においたアソビュー!が、多くのアクセスを集めています。続いてじゃらんnetおよびACTIVITY JAPANが続き、3強となっていますが、地域性を活かした「たびらい」や「沖楽」などのサイトなども存在しています。

アソビュー!

項目 内容
WEBサイト名 アソビュー!(asoview!)
URL https://www.asoview.com/
運営会社 アソビュー株式会社
概要 ジャンル数450種、契約事業者7,500件を誇る国内最大級の体験・アクティビティ向けOTA
特徴 JTBやYahoo! JAPANなどとの提携による幅広いネットワークと、自治体とのアライアンスが豊富
国内取り扱い商品 体験・アクティビティ
掲載施設数 7,500件
手数料 15%〜
事業者申請窓口 https://www.asoview.com/info/join-asoview/

じゃらんnet

項目 内容
WEBサイト名 じゃらんnet
URL https://www.jalan.net/
運営会社 株式会社リクルート
概要 日本全国で地域別に販売されている雑誌「じゃらん」のオンライン版として2000年から運営を開始している国内最大級のOTA
特徴 雑誌じゃらんの豊富な特集コンテンツを強みに幅広い年齢層に支持されている
国内取り扱い商品 宿泊、ダイナミック・パッケージ(じゃらんパック)、体験・アクティビティ、バス・レンタカー、航空券
掲載施設数 32,300件
手数料 15%〜(体験・アクティビティ)
事業者申請窓口 https://www.jalan.net/activity/inquiry/

ACTIVITY JAPAN

項目 内容
WEBサイト名 Activity Japan
URL https://activityjapan.com/
運営会社 株式会社アクティビティジャパン
概要 ジャンル数350種、契約事業者4,000件の豊富なコンテンツを6言語(日・英・簡体・繁体・韓・泰)で提供するOTA
特徴 HISの海外ネットワークを活かしたインバウンドに強み
国内取り扱い商品 体験・アクティビティ
掲載施設数 4,000件
手数料 13%〜
事業者申請窓口 https://activityjapan.com/publish_info

インバウンド対策に効果的な海外OTAについて

国内OTAだけでなく、海外OTAを活用する観光事業者も増えています。

海外OTAとは、訪日外国人旅行者向けに提供されているOTAのことです。具体的には、GetYourGuideやViatorなどが挙げられます。

 

国内旅行者だけでなく、訪日外国人旅行者にもアプローチしていきたいのであれば、海外OTAの活用も視野に入れておきましょう。海外OTAについて、詳しくは以下の記事で解説しています。

 

関連記事:OTAとは?訪日外国人観光客の集客に欠かせない海外OTAの種類とメリット

インバウンド対策には海外OTAの管理を効率化できる「JTB BÓKUN」

観光事業者は、複数のOTAや自社サイトから入る予約をまとめて管理しなければならないため、予約管理の方法に関する課題を抱えています。

 

複数のOTAや自社サイトから入る予約を一元管理できるのが、弊社が提供している予約管理システムの「JTB BÓKUN」です。

 

「JTB BÓKUN」は、観光事業者向けの予約管理システムで、導入すると予約在庫管理の効率化や管理負担の軽減につながります。海外OTAの中でも、ViatorやGetYourGuide、Klookなどの予約在庫をJTB BÓKUNでリアルタイムに調整可能です。

 

すべての媒体での在庫状況をJTB BÓKUNでリアルタイムに調整できることから、予約のダブルブッキングや受付漏れなどのトラブルも抑止できます。

 

そのほか、JTB BÓKUNでは、観光事業者同士がマッチングできるマーケットプレイスも利用可能です。コラボ商品の販売や新たな体験コンテンツの創設に活用できます。

 

「JTB BÓKUN」について詳しくは、以下の資料を参照ください。

フォームに必要事項を入れると資料をダウンロードできます。

JTB BÓKUN 説明資料

JTB BÓKUNの詳しい機能や活用方法について説明しています。


【主な機能】

  • 自社ホームページでの体験商品の販売
  • ユーザー同士での体験商品の相互販売
  • 海外OTA(Viator、KLOOK、GetYourGuideなど)との接続
  • 体験商品の予約・在庫の一元管理(チャネルマネージャー)
  • 販売データおよび顧客データの分析