訪日外国人旅行者の「もしも」に備える!急病・ケガ対応と医療保険の重要性
近年、訪日外国人旅行者数は目覚ましい増加を続け、2024年には過去最高の約3,700万人を記録しました。
それに伴い、旅行中の急病やケガで医療機関を受診するケースも増えています。
観光庁の調査では、旅行中に体調を崩した訪日客は約4%にのぼり、そのうち約6割が風邪や発熱の症状でした。
このように、インバウンド対応の現場では、”訪日外国人旅行者の病気やケガは「起こり得るリスク」”と認識し、事前の対策が不可欠です。
本記事では、万が一の事態に備えるためのポイントを具体的に解説します。
観光庁:訪日外国人旅行者の医療に関する実態調査等を行いました

1. 迅速な医療対応のための「受入れ体制」を整備する
訪日外国人旅行者が急病や事故に遭遇した際、アクティビティ事業者やガイドの迅速な対応が彼らの命を守ることに繋がります。
救急車の手配や医療機関の紹介など、とるべき対応は多岐にわたりますが、言語の壁が大きな障壁となる可能性があります。
そこで、以下の準備をしておくことを強くお勧めします。
■多言語対応可能な病院の特定と情報共有
前に、訪日外国人旅行者の受け入れ実績があり、多言語対応が可能な病院をリストアップしておきましょう。緊急時にスムーズに案内できるよう、連絡先や診療時間などの情報をまとめておくことが重要です。
■「ジャパン・ビジター・ホットライン」の活用
言葉が通じない場合は、日本政府観光局(JNTO)が運営する「ジャパン・ビジター・ホットライン」が非常に役立ちます。24時間対応で、英語・中国語・韓国語など多言語に対応しており、症状や保険内容の確認、必要に応じた通訳サービスの手配などをサポートしてくれます。ガイドが付き添い、このホットラインを活用することで、訪日外国人旅行者も安心して医療機関を受診できるでしょう。

2. 予期せぬ高額出費を防ぐ!「民間医療保険」の重要性
観光庁の調査によると、訪日外国人旅行者の約74%が民間医療保険に加入している一方で、約3割は未加入である現状が明らかになっています。
未加入の理由としては、「滞在日数が短い」「自分は健康に自信がある」などが挙げられますが、医療保険に入っていない場合、高額な医療費を旅行者本人が全額負担することになり、予期せぬ経済的負担が発生するリスクがあります。
ガイドや事業者は、旅行前に民間医療保険への加入の重要性を丁寧に伝え、万が一の事態に備えるよう促すことが大切です。
最近では、インターネットで簡単に加入できる訪日外国人向けの医療保険も増えていますので活用を検討してみてください。
保険会社:東京海上日動火災保険株式会社
近辺病院の情報を事前把握することや訪日外国人の保険有無を確認することで、万が一の際にも迅速に適切な対応が出来るようになります。この記事が事前対策の一助になれば幸いです。
執筆協力:
東京海上日動火災保険株式会社 航空宇宙・旅行産業部
東京海上日動あんしんコンサルティング株式会社 JTB営業部